今日は1991年まであったバルカン半島の社会主義国家、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国について紹介します。ユーゴスラビアは七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家から成るといわれるほど複雑な国です。とても面白い国なのでぜひ最後まで見ていってください!
目次
ユーゴスラビアの基礎情報
首都 | ベオグラード |
人口 | 2353万人(1991年) |
通貨 | ディナール |
言語 | スロヴェニア語、クロアチア語、セルビア語、マケドニア語 |
構成国 | セルビア、ボスニアヘルツェゴビナ、コソボ、北マケドニア、スロベニア、クロアチア、モンテネグロ |
ユーゴスラビアの歴史
オーストリアハンガリー帝国
1878年:ベルリン条約により、オーストリアハンガリー帝国がボスニア・ヘルツェゴビナを占領する。
1908年:オーストリアハンガリー帝国がボスニア・ヘルツェゴビナを併合する。
1912年:バルカン戦争によってセルビア王国、ブルガリア王国、ギリシャ王国がオスマン帝国領を分割する。
第一次世界大戦とユーゴスラビア王国の成立
1914年:サラエボ事件により、第一次世界大戦が勃発する。
1918年:オーストリアハンガリー帝国が崩壊する。
1918年:セルビア人、クロアチア人、スロベニア人など南スラヴ諸民族が「ユーゴスラビア王国」を建国する。
王国は、セルビア王国を中心とした中央集権国家体制を敷く。
第二次世界大戦
1941年:ユーゴスラビア王国がドイツ、イタリア、ハンガリーに侵略され、解体。
クロアチア独立国、セルビア傀儡政権、イタリア占領地域などに分割される。
パルチザンによる抵抗運動が各地で展開される。
1945年:第二次世界大戦終結。ユーゴスラビア連邦人民共和国が成立。
第二次世界大戦後
1945年:ヨシプ・ブロズ・チトーがユーゴスラビア連邦人民共和国の指導者となる。
ユーゴスラビア連邦人民共和国は社会主義体制の国で、工業化と農地改革を進める。
冷戦の中で、西側諸国やソ連からも距離を置いて非同盟外交を展開する。
1963年:国名を「ユーゴスラビア社会主義連邦共和国」に変更。
チトーの死後(1980年)、民族主義が再び台頭し国が混乱し始める。
民族紛争と連邦解体
1990年代に入り、クロアチア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアが独立を宣言する。
ユーゴスラビア連邦共和国は内戦状態(ユーゴスラビア紛争)になる。
国際社会の介入により、1995年までにクロアチア紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が終結する。
2000年:ユーゴスラビア社会主義連邦共和国は解体されセルビア・モンテネグロとなる。
2006年:セルビア・モンテネグロも解体されセルビア共和国とモンテネグロ共和国が独立する。
2008年:コソボがセルビアから独立をするも一部の国からは独立を承認されていない
ユーゴスラビアの経済
ユーゴスラビアは社会主義国ですがソ連や北朝鮮とは違い大きな経済成長を遂げており、1960 年代と 1970 年代には平均経済成長率は年間 5%を超えていました。しかし1980年代になると東欧の混乱やユーゴスラビア政府の経済改革の失敗によって経済成長は減速してしまいました。ユーゴスラビアの産業は製造業、鉱業、観光業でした。
ユーゴスラビアの構成国
セルビア
セルビアは人口709万人のバルカン半島南東部に位置する内陸国です。北はハンガリー、東はルーマニア、南はブルガリア、北西はボスニア・ヘルツェゴビナ、西はクロアチアとコソボと接しています。セルビアの首都であるベオグラードはユーゴスラビアの首都でした。セルビアはローマ帝国、ビザンツ帝国、オスマン帝国など様々な国に支配されました。首都ベオグラードには、12世紀に建設されたベオグラード要塞などの歴史的な建物がある一方、共産主義感のある無機質な団地や新しい建造物もたくさんあります。
セルビアってどんな国?歴史・経済・観光スポットを紹介します!ボスニアヘルツェゴビナ
ボスニアヘルツェゴビナはバルカン半島南東部に位置する国で人口は319万人です。北はクロアチア、東はセルビア、南はモンテネグロに面しています。首都のサラエボでは第一次世界大戦のきっかけとなったサラエボ事件が起こりました。ボスニアヘルツェゴビナではイスラム教が主流でモスクが数多くあります。サラエボにはトルコのようなバザールなんかもあります。ヨーロッパの雰囲気もトルコっぽい雰囲気も味わえる面白い国なので僕は大好きです。
ボスニアヘルツェゴビナってどんな国?歴史・経済・観光スポットを紹介します!スロベニア
スロベニアは、中央ヨーロッパに位置する小さな国で、人口は211万人です。北はオーストリア、東はハンガリー、南はクロアチア、西はイタリアと国境を接しています。スロベニアは美しい自然で知られていてアルプスの山や湖、鍾乳洞などが有名です。また歴史的な建造物もたくさんあり、リュブリャナ城やフレッド城はとても人気があります。
チェコってどんな国?歴史・経済・観光スポットを紹介します!【2024年】クロアチア
クロアチアは、バルカン半島の南西部に位置する人口398万人の国です。クロアチアは美しい海岸線と島々、そして歴史的な街並みが人気の観光地です。特にアドリア海に面するドブロブニクやスプリット、トロギールのような街やフバル島などには世界中から観光客が訪れています。また、内陸部にはプリトヴィツェ湖群国立公園やプリトヴィツェ湖群国立公園では美しい自然風景も楽しむことができます。首都のザグレブには歴史ある教会などがあります。クロアチアは、最近一番好きなヨーロッパの国です。
クロアチアってどんな国?歴史・経済・観光スポット9選を紹介します!【2024年】モンテネグロ
モンテネグロは、バルカン半島の南西部に位置していてアドリア海に面した人口62万人ほどの小国です。モンテネグロは2006年にセルビア・モンテネグロから独立しました。モンテネグロとは黒い山という意味でロフツェン山はその名の通り黒い玄武岩でおおわれています。モンテネグロにはコトル湾やブドヴァなど、美しいビーチリゾートが点在している一方、首都であるポドゴリツァは観光地の少なさ、建物の無機質さからヨーロッパ一醜い首都と言われています。
モンテネグロってどんな国?歴史・経済・観光スポットを紹介します!【2024年】北マケドニア
北マケドニアはユーゴスラビアで一番南に位置している国で西はアルバニア、東はブルガリア、南はギリシャ、北はセルビアに接しています。人口は208万人で首都はスコピエです。北マケドニアという名称はギリシャとのいざこざによってマケドニアから北マケドニアに改称されられました。首都のスコピエにはパルテノン神殿のような博物館やパリの凱旋門のようなマケドニア門などの観光地があります。
北マケドニアってどんな国?歴史・経済・観光スポットを紹介します!【2024年】コソボ
コソボは2008年にセルビアから独立を宣言した、ヨーロッパで最も新しい国です。コソボはバルカン半島の中央部に位置し、北と東をセルビア、南を北マケドニア、西をアルバニア、北西をモンテネグロに接しています。コソボの民族構成はアルバニア人が約9割を占め、残りはセルビア人、トルコ人、ロマ人などが少数派として居住しています。公用語はアルバニア語とセルビア語ですが、アルバニア語が広く話されています。文化的にはセルビアよりアルバニアのほうが近そうです。
アルバニアってどんな国?歴史・経済・観光地を紹介します!【2024年】まとめ
こんなにも多様な民族や言語、宗教がある国が昔はあったなんて面白いなと思いました。あと社会主義国なのに経済成長をしていた点がとても興味深いと思いました。チトーってすごいんですね。このブログでは世界の国や都市を中学生が紹介するのでぜひ他之記事も見てみてください!
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