今日は世界の、「人権」の歴史を紹介します。少し難しいですがぜひ最後まで見ていってください!定期テストの公民の対策にもきっとなると思います!
目次
人権とは?
人権とは、私たち一人ひとりが生まれながらに持っている、尊重されなければならない権利のことです。日本では人権は人種、性別、国籍、宗教などの違いに問わず、すべての人に平等に保障されています。
人権の考えが生まれる前の世界
人権の考えが生まれる前、すなわち古代や中世の世界は明確に身分が厳格に定められた社会でした。身分は生まれによって決まり、その身分によって権利や義務が大きく異なりました。貴族、聖職者、そして農民などという大きな身分に分けられ、それぞれの身分間には壁が存在していました。貴族や聖職者は土地や財産を所有し、政治や軍事の力を握っていましたが、農民は土地を耕し、貴族に年貢を納めることが義務づけられていました。また国王や工程による専制政治(独裁的な政治)が行われていました。
マグナカルタ/イギリス
マグナ・カルタ(大憲章)は、1215年にイングランドのジョン王とイングランドの貴族との間で結ばれた文書です。この文書は、王の権力を制限し、貴族の権利を保障するという内容です。ジョン王は、強権的な統治を行い、貴族たちの権利を侵害するような行為を繰り返しました。例えば、私的な目的で無断に税金を徴収したり、裁判で不正を行ったりといったことがありました。このような状況からマグナカルタが生まれたのです。マグナカルタが制定されてから名誉革命がおこるまでのイギリスは王様と議会の対立、宗教改革、ピューリタン革命など混乱していました。
名誉革命と権利章典/イギリス
1688年にイギリスで起きた名誉革命は、絶対王政からの脱却と立憲君主制(憲法の元で君主がいる状態)への移行という点でとても重要な革命です。この革命は、国王ジェームズ2世の専制的な統治に対する国民の反発から置きました。名誉革命の大きな成果の一つが、1689年に制定された権利章典です。権利章典は、国王の権力に制限を加え、国民の権利を保障するものでした。
アメリカ独立宣言/アメリカ
アメリカ独立宣言は、1776年7月4日に採択されたイギリスからの独立を宣言する文書です。この文書はただ独立したよ、という文書ではなく人権について先進的な内容だったことで有名です。アメリカ独立宣言にはすべての人間は平等であり「生命、自由、幸福の追求」の権利があると書かれています。しかし、黒人の奴隷は南北戦争のころまで認められていました。
フランス人権宣言(人間と市民の権利の宣言)/フランス
フランス人権宣言は、1789年のフランス革命時に採択された歴史的な文書です。この宣言は、人々が生まれながらに持つ普遍的な権利を初めて明確に定めたものであり、後の世界各国の憲法や人権宣言に大きな影響を与えました。フランス革命は貴族の贅沢や度重なる戦争によって財政が悪化し市民や農民への税が重くなったことで起きました。
ワイマール憲法/ドイツ
ワイマール憲法は、第一次世界大戦に敗戦した後のドイツで制定された憲法です。この憲法は、従来の自由権に加え、社会権と呼ばれる新たな概念を導入しました。社会権とは、個人が人間らしい生活を送るために必要な権利であり、生存権、教育を受ける権利、勤労権などがこれに当たります。これら社会権の明記は、ワイマール憲法が単に個人の自由を保障するだけでなく、国家が国民の生活水準の向上に責任を持つべきであるという考え方を初めて憲法に盛り込んだ点で画期的でした。しかし、世界恐慌が起こると第二次世界大戦を引き起こしたナチスドイツ(国民社会主義ドイツ労働者党)が台頭し、人権が脅かされるのです。
世界人権宣言/国際連合
世界人権宣言は、1948年に国連総会で採択された、人権に関する歴史的な文書です。第二次世界大戦という悲惨な経験を経て、人々が再び戦争を起こさないために、そして、すべての人が平等に尊厳を持って暮らせる社会を作るために、この宣言は生まれました。
第一条
すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。