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中国一線都市とは?
中国の「一線都市」とは経済、人口規模、インフラ、国際的な影響力などの面で国内で最も発展した都市を指します。これらの都市は、中国の経済成長の中心地であり、国内外の企業や人材が集中しています。今までは北京、上海、広州、深圳が中国一線都市でしたが現在は新たに15の都市が「新一線都市」として選ばれています。この記事では今までの四都市と新たな十五都市を紹介したいと思います。
北京市(Beijing)
人口 2259万人
北京市は中国の首都であり、政治・文化・教育の中心地として、3,000年以上の歴史を持つ古都です。明・清時代には「大都」「北平」「北京」として都が置かれ、紫禁城(現在の故宮博物院)を中心に発展しました。1949年に中華人民共和国の首都となり、現代では世界有数の大都市へと成長しています。紫禁城、天壇、万里の長城など歴史的なスポットがたくさんあり観光客に人気の街です。
上海市(Shanghai)
人口 3048万人
中国東部に位置する上海は中国の経済・金融・貿易の中心地として、世界的な影響力を持つ大都市です。19世紀に欧米諸国の租界地として開港した歴史を持ち、東西文化が融合した独特の雰囲気が魅力です。摩天楼が立ち並ぶ近代的な風景と、石庫門(シークーメン)と呼ばれるレンガ造りの西洋風の路地裏が共存し、訪れる人々を惹きつけています。観光では、外灘と浦東の夜景、豫園(よえん)と呼ばれる明代の庭園、南京東路のショッピングストリートなどが人気です。また、上海ディズニーリゾートなど家族で楽しめるスポットもあります。
広州市(Guangzhou)
人口 1487万人
広州市は、中国・広東省(南部の省で人口が中国最大)の省都であり、華南地域を代表する経済・文化・貿易の中心地です。2,000年以上の歴史を持ち、古代から「海上シルクロード」の起点として繁栄した港町です。唐代には「広州港」として外国商人が集まり、明清時代には欧州との貿易拠点となりました。経済面では、広州市は中国有数の商業都市として中国南部で発展してきました。特に改革開放以降、珠江デルタ地域の中心として、製造業・貿易・物流のハブとなり、多くの外資企業が進出しています。観光地としては600mの高さを誇る広州塔や陳家祠などが有名です。
深圳市(Shenzhen)
人口 1354万人
深圳市は広東省の香港との境に位置する大都市です。70年代ごろは小さな漁村でしたが、鄧小平による改革開放後は経済特区に選ばれ、40年でGDPが1万倍になったすごい都市です。中国の多くの大企業、例えばテンセント(WeChat・QQの開発元)、ファーウェイ(スマホ製造など)、BYD(電気自動車メーカー)などが本社を構え、先端技術とイノベーションを牽引しています。また、華強北は世界最大級の電子部品市場として知られ、スタートアップやエンジニアたちが最新ガジェットを求めて集まる街として賑わっています。深圳は私が一番大好きな中国の都市です。
成都市(Chengdu)
人口 999万人
成都市は中国西部、四川省の省都です。成都市は肥沃な四川盆地に位置し、古くから「天府の国」と呼ばれるほど豊かな土地で、三国志の時代には蜀漢の都として栄えました。経済面では、成都は中国西部の重要なハブ都市として急成長を遂げています。IT産業が特に盛んで、ハイテクパークには多くの外資系企業やスタートアップが進出しています。また、自動車産業や航空宇宙産業も発展しています。「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」は四川省を代表する観光地の一つです。九塞溝に行くための玄関口としても成都は有名です。
杭州市(Hangzhou)
人口 859万人
中国の東部、浙江省に位置する杭州市は、古くから「天上有天堂、地下有蘇杭(天に極楽あり、地に蘇州・杭州あり)」と称えられる美しい都市です。2,200年以上の歴史を持ち、かつては南宋の都として栄え、現在ではデジタル経済の中心地として急成長を遂げています。経済面では、杭州は中国を代表するハイテク都市として知られています。アリババグループやdeepseekの本拠地であり、電子商取引やFinTech(金融技術)の一大中心地です。
重慶市(Chongqing)
人口 1817万人
重慶市は、中国西南部の内陸に位置する直轄市で、長江と嘉陵江の合流点に発展した都市です。複雑な地形と超高層ビルの様相から「8D都市」(ちょっとよくわからない)として世界から注目を集めています。経済的には、長江の水運を活かした物流の要衝として発展し、現在は自動車産業(長安汽車など)やIT産業が盛んです。2010年代以降は「西部大開発」政策の中心地として急成長を遂げ、超高層ビルが立ち並ぶ解放碑(ジエファンベイ)周辺は、上海や香港にも引けを取らない近代的なビジネス街へと変貌しました。また、重慶は中国最大のモノレール網を有し、山岳地帯ならではの立体交通が特徴的です。
武漢市(Wuhan)
人口 898万人
中国中部の要衝・武漢は、長江と漢江が交わる水の都として発展しました。かつて「九省通衢(きゅうしょうつうく)」と呼ばれ、交通の要所として栄えた武漢は、歴史的な背景と現代的な経済力が融合した魅力的な街です。経済面では、武漢は中国中部最大の工業・商業都市として知られ、自動車産業(東風汽車)や鉄鋼業(武漢鋼鉄)が盛んです。近年ではITやバイオテクノロジー産業も急成長しており、「光谷」と呼ばれるハイテク産業地帯が注目を集めています。また、長江の物流拠点としても機能し、内陸部ながら国際的なビジネスが活発に行われています。観光地としては漢文にも出てくる黄鶴楼が有名です。
蘇州市(Suzhou)
人口 859万人
中国・江蘇省に位置する蘇州は、2,500年以上の歴史を持つ都市で「東洋のベニス」とも称されます。春秋戦国時代に呉の国の都として誕生し、隋・唐時代には大運河の要衝として繁栄しました。特に明・清時代には絹織物や商業の中心地となり、「上有天堂、下有蘇杭」と謳われるほど、豊かな文化と景観を誇る都市として発展しました。1990年代以降、蘇州工業園区(SIP)が設立され、シンガポールとの協力のもと、外資系企業の進出が相次ぎました。現在では、デルやサムスンなどの世界的企業が拠点を置き、ハイテク産業の集積地としても成長しています。
西安市(Xian)
人口 922万人
西安は中国陕西省の省都であり、3,000年以上の歴史を持つ中国最古の都市の一つです。かつての長安として、周・秦・漢・唐など13の王朝の都となり、シルクロードの起点として世界的な繁栄を誇りました。今日では、古代の遺産と現代的な発展が融合した都市として、国内外の観光客やビジネス客を惹きつけています。
南京市(Nanjing)
人口 1017万人
南京は、中国の東部・江蘇省の省都であり、2,500年以上の歴史を持つ古都です。かつて「金陵」や「建康」と呼ばれ、中国史上で重要な役割を果たしてきました。特に三国時代の「呉」、南北朝時代の「南朝」、そして明王朝初期(14世紀)には洪武帝(朱元璋)によって都とされ、一時は北京に並ぶほどの繁栄を誇りました。経済的には、上海に近い立地を活かし、製造業(自動車、電子機器)やIT産業が発展しています。特に「南京浦口経済技術開発区」には多くの外資系企業が進出し、中国東部の重要なハイテク産業拠点となっています。
長沙市(Changsha)
人口 512万人
長沙市は中国中部の湖南省の省都です。経済的には、長沙は湖南省の産業・交通のハブとして急成長を遂げています。重工業や製造業が盛んで、三一重工(建設機械メーカー)や中聯重科といった世界的な企業が本社を置いています。また、近年ではIT・メディア産業も発展し、湖南衛視(中国有数のテレビ局)が制作する人気番組は全国的に注目を集めています。さらに、高速鉄道の整備により、北京や広州、深センとの結びつきが強まり、ビジネスや観光の利便性が高まっています。
鄭州市(Zhengzhou)

人口 615万人
鄭州市は河南省(安徽省の西隣)の省都で中国に大幹線の一つである黄河に面しています。古代には殷王朝の中心地として栄え鄭州商城など古代の遺跡が残っています。現代の鄭州は、中国内陸部の経済・交通のハブとして急成長を遂げています。京広線(北京~広州)と隴海線(連雲港~蘭州)という2大鉄道路線が交差し、貨物輸送の要衝として機能しています。さらに、鄭州東駅を中心に広がる新興ビジネス区「鄭東新区」は、近代的な高層ビルが立ち並んでいます。ちなみに少林寺は鄭州にあります。
天津市(Tianjin)
人口 1470万人
天津は中国北部の渤海湾に面した重要な港湾都市で、北京からわずか30分(新幹線で)の距離に位置しています。その歴史は古く、元代には「海津鎮」として海上貿易の拠点となり、明代以降は軍事・商業の要衝として発展しました。19世紀後半にはアヘン戦争後の条約で開港場となり、イギリス、フランス、日本など9か国による租界が設けられました。ラストエンペラーにも天津は出てきましたよね。この時代の名残で、現在でも五大道(旧租界地区)にはヨーロッパ風の建築が並び、異国情緒あふれる街並みが残っています。経済面では、天津は中国有数の工業都市として知られ、自動車製造(一汽トヨタの工場など)、石油化学、航空宇宙産業が盛んです。また、天津港は世界トップ10のコンテナ港の一つで、中国北部の物流ハブとして重要な役割を果たしています。
合肥市(Hefei)

人口 483万人
合肥は江蘇省の西隣、安徽省の省都です。合肥は「中国の科学技術都市」としての地位を確立しつつあります。政府の支援のもと、半導体・AI・電気自動車などの先端産業が集積し、特に「科大訊飛(iFLYTEK)」のようなAI分野の世界的企業が本社を置いています。また、中国科学技術大学(USTC)をはじめとする研究機関が集まっています。
青島市(Qingdao)

人口 621万人
青島は中国山東省の東南部に位置する港町で、美しい海岸線とヨーロッパ風の街並みが魅力の都市です。19世紀末、ドイツの租借地となった歴史から、今も赤レンガの教会やドイツ風建築が残り、異国情緒あふれる景観が特徴です。特に「八大関(バダグアン)」と呼ばれるエリアには、各国様式の別荘が並び、散策するだけでも絵になる風景が広がっています。チンタオビールは有名ですが、このビールもドイツの支配地だった名残です。なるとダンス、中国ダンスとして知られる科目三の動画は青島で撮られています。
東莞市(Dongguan)

人口 777万人
東莞市は広東省に位置する大都市です。980年代以降、製造業の急成長で「世界の工場」と呼ばれ、世界中の電子機器や家具、衣類がここから出荷されてきました。経済発展とともに、東莞は観光地としても進化しています。市内には「可園」という清代の庭園があり、嶺南建築の美しさを堪能できます。また、珠江デルタの水郷地帯を巡るクルーズや、虎門大橋近くの「虎門砲台記念館」ではアヘン戦争の歴史を学ぶこともできます。さらに、近年ではホテルやショッピングモールが増え、深センや広州からの観光客も増加しています。
寧波市(Ninbo)
人口 477万人
寧波は上海の南、浙江省に位置する港湾都市でsう。寧波は中国有数の港湾都市であり、寧波舟山港は世界でもトップクラスの貨物取扱量を誇ります。自動車部品、石油化学、紡績産業が盛んで、特に吉利汽車(ジーリー)をはじめとする自動車メーカーの拠点が集まっています。さらに、杭州湾を跨ぐ杭州湾海上大橋の開通により、上海との経済連携が強化され、長江デルタ地域の成長を支える重要な役割を担っています。前、神戸で寧波と書かれたコンテナをたくさん見ました。
仏山市(Foshan)

人口 781万人
中国・広東省の中心部に位置する仏山(フォーシャン)は、広州や深センほどの知名度はないものの、広東省の大都市として中国国内では有名です。改革開放以降、家電・家具・建材産業が急成長し、美的集団(Midea)や碧桂園(Country Garden)といった世界的企業を輩出しました。現在では広州と地下鉄で直結され、広仏同城化(広州と仏山の一体化)が進み、珠江デルタの製造業ハブとしてさらに発展を続けています。
まとめ
広東省、すごいですね。中国の都市は派手でビルがたくさんあるのでとても好きです。八月に香港と深圳に旅行へ行くのでリサーチしたいと思います!待っていて下さい。


